県が事業団との指定管理者協定契約違反か 問われる県のセーフティネット
◇全県
県は先月二十六日の県議会の地方分権・行財政対策特別委員会で、県行政経営改革委員会(大道良夫委員長)の提言を受け、県下水道公社(草津市)など四団体と、軽費老人ホーム「きぬがさ荘」(東近江市)など六施設を「廃止」する最終見直し案を報告した。この中で、焦点となっているのが県立社会福祉施設の「移管 」問題である。
【石川政実】
最終見直し案では、「廃止」ではなく、民間や団体、市町への「移管、売却」の施設がある。この「移管」の中には、救護施設「日野渓園」(日野町)、特別養護老人ホーム「福良荘」(長浜市)、養護老人ホーム「安土荘」(安土町)、同「長浜荘」(長浜市)、同「さつき荘」(日野町)の五施設が含まれている。五施 設の四月一日現在の入居者は計三百八十八人、職員数はパートを含めると約二百人に達している。
十八年度から指定管理者として五施設の管理・運営をしてきたのは社会福祉法人「県社会福祉事業団」だが、今回の県の見直し案では「老朽化した施設の整備などについては十分配慮しつつ、公募により平成二十三年度から民間への移管を行う」との方針が打ち出された。五施設は建設されてから三十~四十年が経ち 、老朽化が進んでいるのは事実だ。
県社会福祉事業団の渡邊光春副理事長は「県は『移管』するにあたり、老朽化した施設を改修するとしているが、『移管』の有無にかかわらず、入居者の住環境改善を行うべきだ。また五施設を公募で『移管』したとして、事業団が外れた場合、約四百人に及ぶ入居者のケアと、約二百人に及ぶ事業団職員の雇用問題への対 策が示されていない」と公募のあり方そのものに反対だ。
さらに渡邊副理事長は「減価償却積立金など基本財産の蓄積が出来ない県の行政システムの中で運営してきた事業団を、他の社会福祉法人と同列において公募とするのはおかしい。また、県と事業団の指定管理者基本協定契約には『指定期間満了後、県から事業団へ施設移管が予定されていることから、円滑な移管に向 けて県、事業団は指定期間中、十分協議を行うものとする』との規定があるにもかかわらず、他の社会福祉法人と同列に公募とされるのも納得できない」と憤る。
先月二十七日から開会した十一月県会で県の見直し案が審議されるが、設置主体である県自らが社会的支援を必要とする人へのセーフティネットをどう守るのか、今後、論議を呼びそうだ。







