志村ふくみら3大人間国宝作品紹介
◇大津
県立近代美術館の新しい常設展示室がこのほどオープンした。日本画・郷土美術部門の展示室は「志村ふくみと滋賀の工芸」というテーマで、近江八幡市出身の紬織の人間国宝、志村ふくみの作品を中心に、染織・陶芸など滋賀県ゆかりの工芸作品を紹介する。
内容は、草木の色(植物染料)で絹糸を染めて、豊かな色彩感覚の紬織着物を織り続けている志村ふくみの作品を中心として、森口華弘(かこう)、清水卯一の三大人間国宝作家のほか、信楽焼の高橋楽斎、五代上田直方、京焼の伝統を受け継ぐ陶芸の安田全宏(ぜんこう)、竹工芸の杉田静山(じょうざん)、羅(織)の宮島勇、刺繍の酒井栄一、蝋(ろう)染の宮崎芳郎、そして銀の酸化反応を利用した創耀技(そうようぎ)と呼ばれる技法を生み出した山口善造による、十一作家、五十二点の作品を一堂に展示する。
また、現代美術部門の展示室は「レスポンスー対話と応答」と題し、別の何ものかと関連性のある作品、とりわけ別の美術作品を元にして生まれた作品を中心に取り上げ、その関係について考察するというユニークな展示を行う。一部の作品は、元ネタとなった美術作品と並べて展示する。展示作品数は二十二点。
一例を挙げると、クリストと赤瀬川原平の二人はいずれも、日常的なものを梱包している。赤瀬川は印刷した千円札で身近な日用品を梱包し、様相を一変させて非日常のものに変えているが、クリストの場合は巨大な島や建造物などをまるごと梱包し、風景そのものを一変させている。同館で展示するのは一九八三年にフロリダ州で実際に行われた梱包プロジェクトの、プランを示すスケッチである。
赤瀬川原平は六〇年代に千円札を模写したり、模造した作品を精力的に発表した。それらには紙幣偽造の嫌疑がかけられ、それが果して犯罪なのか芸術作品なのかという論争を巻き起こした。







