歴史を変えた「発想」と「健脚」
◇大津・大津市
著書「逆説の日本史」などで知られる作家、井沢元彦氏がこのほど、昨今評価の分かれる坂本龍馬の功績について、「記録に残しにくいのが特徴」「今の常識でみてはいけない」と反論し、ブーム再来の龍馬像に迫った。大津市伝統芸能会館(大津市)で講演した。
功績の一つに、薩長同盟の締結があるが、薩摩と長州の両藩はそれまで軍事衝突し、とくに長州側に遺族が多くいて殺伐とした情勢だった。そんな中で手を握ろうとするのは、藩内で命を狙われるほど「命がけ」の情勢だった。
このため龍馬がとった打開策は、幕府によって経済封鎖されていた長州へ、薩摩名義で購入した武器を供給する「利益」でもって、両藩を接近させたもの。
当時の行動思想は朱子学がベースで、商業は卑しいものとされていた。この中で、政治情勢を適確に分析し、あえて利益で同盟を実現させた龍馬の発想の面白さを「商業センスがあった」と語った。
さらに、全国を駆け回り、様々な人脈をつなげた「健脚」が歴史を変えたとし、「現代は携帯電話やメールがあってすぐ連絡ができ、人に会うのも簡単な時代だが、歩くしかない江戸時代は今では想像できないほど大きなハンディーがあった」と龍馬の苦労に思いをはせた。







