古代の近江国庁と関連
◇大津
大津市教育委員会は、市内大江六丁目の惣山(そうやま)遺跡から、奈良時代のものと推測される、土を堅くたたき締めた工法「版築」による大規模な土木工事跡が見つかった、と発表した。
惣山遺跡は平成八、九年度の発掘調査により、南北三百メートルにわたって瓦葺の総柱礎石建物が十二棟建ち並んでいたことが判明し、奈良ー平安時代に置かれた近江国庁に密接に関係する倉庫群として平成十年に国の史跡指定を受けている。
版築は、古代においては古墳の墳丘や宮殿や寺の基壇、築垣塀などに採用された工法で、土を何層にもたたき締めながら積み上げていくので非常に固い地盤ができあがる。
今回見つかった版築は、約十センチごとに土を固くたたき締めて、二メートル近く土を盛り上げている。施された範囲は、現状で東西十五メートル、南北二十メートルの範囲に広がっており、今後の調査でさらに広がる可能性もある。
版築土内からは遺物は出土せず、その上層から瓦が出土している。瓦の中には、国庁に使われた飛雲紋軒先瓦があり、倉庫群廃絶後に瓦が拡散したと考えられる。これらのことから、惣山遺跡倉庫群建設にあたり周辺の地形を改変する大規模な整地のために版築が行われたのではないかと考えられる。






