栗東市のRD処分場下流域地下水調査
◇湖南・栗東
栗東市はこのほど、手原、安養寺、小野地先など市内八か所の農業用井戸の水質調査を行ったが、手原の井戸では、手原自治会役員らがポンプで井戸水(地下水)を汲み上げたところ、真っ黒でどろどろのヘドロ状の液体が約十~二十分にわたり出続け、なおかつ環境基準値を超えるヒ素が四年連続で検出された。同自治会からは「農業用水として本当に使えるのか」と不安の声が上がっている。 【石川政実】
この調査は、市が毎年一回行っているRD処分場下流域地下水調査で、今回は八月三日に実施、先月二十八日に調査結果がまとまった。注目されるのがRD処分場から近い距離にある小野(約一・三キロメートル)、手原(約一・八キロメートル)の二つの井戸。
里内勇次・手原自治会副会長(63)は「市がポンプアップしてから六時間後に採水するというので、自治会長など三役と農業委員が立ち会うことになり、朝九時から井戸のポンプのスイッチを入れて、井戸水を汲み上げたところ、約十分から二十分にわたり真っ黒でどろどろの水が出てきた。卵の腐ったような硫黄や、重油のような臭いが鼻をついた。農業委員さんは『昨年、一昨年と立ち会ったが、こんな真っ黒なヘドロ状の水が出てきたのは初めて』と驚いていた。この井戸は平成十七年以降使っていないが、環境基準(一リットル当たり〇・〇一ミリグラム)を超える〇・〇二から〇・〇三ミリグラムのヒ素=表参照=が十九年にヒ素を調査項目に入れてから毎年出ており、はたして農業用水として米作りに使用していいのか、農業委員会や農協などで科学的に判断してほしい」と話した。
市生活環境課は「確かに今回は臭いがきつかったようだ。ヒ素が環境基準値を超えたのは、手原の井戸が百五十五メートルの深さだけに、井戸の先がヒ素を含んだ岩盤に岩着して地下水を吸い上げたとも考えられる。このため市はこれまで、“自然由来”との見方をとってきた。手原、小野でダイオキシンが出ているが、両井戸とも電気伝導率がそう高くなく、ダイオキシンも環境基準値以下なので問題がない。手原自治会には八日、今回の調査結果を説明したが、今後、要請が出れば再調査したい」という。
畑明郎・大阪市立大学大学院特任教授は「電気伝導率が普通なら百以下なのに、小野と手原では二百以上と高く、かつダイオキシン類が両井戸で検出されている。また手原では、ヒ素が環境基準値を四年連続で超えている。市はこれらを“自然由来”としているが、他の六井戸からは、ヒ素やダイオキシン数が検出されておらず、RD処分場から汚染地下水が流れてきた可能性が高い。経過を追った詳細調査をやるべきだ」と反論している。








