パワハラ疑惑やタクシー問題
◇大津
来年一月十日告示、十七日投開票の大津市長選に、越直美市長は出馬の意向を固めているが、一期四年のかじ取りで光と影が見えてきた。越市長は就任当初、「弁護士として企業のコンプライアンス(法令遵守)に関わってきた経験を生かしたい」と、職員の不祥事防止に並々ならぬ自信をのぞかせていた。しかし、一方で、市長本人の規範意識が問われる事態が起こっている。そこで今回は影の部分を検証してみた。(高山周治)
越市長、規範意識問われる事態も
大津市議会で相次ぐ指摘
「越市長のコミュニケーション不足で市役所は機能不全に陥っている」(県議の蔦田恵子立候補予定者の選挙母体であるオール大津代表・河本英典氏)と指摘される中、越市長が職員に対して、職務上の地位を背景に精神的な苦痛を与えるパワーハラスメントと疑われる出来事が、昨年始めころに市役所であったとの指摘がなされた。
このため同市職員支援室は、該当する行為があったかどうか弁護士から意見を聞くため、昨年四月二十二日付けで滋賀県弁護士会から弁護士二人の推薦を受け、同五月二日付けで契約。一人当たり十六万二千円の弁護士費用計三十二万四千円を同八月二十日、謝礼金などの財源である報償費の予算枠から支出した。
ところが、予算措置をせずに支出していたため、報償費に不足額が生じた。このため、今年二月の補正予算であらためて計上し、不足分を補った。この際、弁護士費用の説明は、市議会に対してはなかった。
これを情報公開請求で知った谷祐治市議(志成会)が今年の九月市議会で「議会のチェック機能を果たす上で問題」と質したのに対して、越市長は「パワハラは一切ないとの弁護士の結論に至っている」と弁明した。
それについて谷市議は「このように重大な費用が議会の目に触れることなく支出されるのは、手続き上からみて不自然。パワハラの内容の説明もない。市長自身が説明責任を果たすべきだった」と不満げだった。
ちなみに谷市議は七月二十二日、同市に対して情報公開請求を行ったが、個人情報の保護を理由にパワハラの内容の非公開が決定している。
このほかにも昨年十一月に、「越市長が公用車を使わず、公費でタクシーを利用するのは不適切」として、タクシー費用の返還を求める住民監査請求が起こっている。この中で、市役所からホテルピアザびわ湖(大津市におの浜)などへの私的な移動にも、公費でタクシーを利用したケースも発覚した。
請求によると対象は、市長就任の平成二十四年一月から昨年八月末までの二年七か月間、七百二十九件の約二百四十万円。
これを受けて越市長は監査結果が出る直前、公務との関係が薄いとされた五十七件分、計十万八千円余りを自主的に市へ返還した。
内訳は、監査委員会が指摘した私的な用件で移動した五十二件八万六千五百五十円。さらに、市外出張で市役所(自宅)~JR京都駅間などで電車賃の支給を受けながら公費でタクシー利用をしていた五件二万一千九百三十円である。他の六百七十二件は、監査結果で「公務の一部」として却下された。
監査請求を起こした山本哲平市議(志成会)は「自宅からの通勤でのタクシー利用は条例では認められないのに、なぜ市長と監査委員会は『公務』といって認めるのか理解に苦しむ。また、公用車の運転手の残業代の節減になるとして、時間外はタクシーの方が経費がかからず経済的合理性があると弁明しながらも、公用車を運転する職員の勤務中もタクシーを利用している」と問題視。
さらに「職員が私的なタクシー利用を公費で支出すれば処分されるのに、越市長は代金を返還しただけで謝罪さえない」と憤っていた。







