元安土城考古博物館副館長が新刊
◇全県
県立安土城考古博物館の元副館長、大沼芳幸氏(61)が、織田信長の軌跡をたどるガイドブック「信長が見た近江 『信長公記』を歩く」(定価二千円+税)をサンライズ出版から刊行した。
内容は、信長が「天下布武」を成し遂げるための拠点とした県内を、信長の行動を克明に記録した一級資料「信長公記」の記述を引用しながら、信長が実際に見たであろう景色や、抱いた思想を再現しながら足跡をたどる。
著者は、琵琶湖のある近江は、信長にとって日本を支配するための「神的権威を発現させる場所」だったとみる。例えば、比叡山焼き討ちも、比叡山を焼くことで坂本港を得て、琵琶湖に根ざした神的な権威を手に入れるためだったという。さらに視覚化させたのが「神殿としての安土城」なのだ。
大沼さんは「県内を歩きながら、信長になりかわるような感覚で一冊にまとめた。中世末から近世までの統治の正当性は信長が具現化した。その源がこの地であったことに思いをはせながら県内各地をめぐってほしい」と話している。






