自民4区支部長に内定の小寺県議差し戻し
二十三日に自民党県連が開いた役員会の後で、上野賢一郎県連会長(同党県第2選挙区支部長・衆院議員)は記者団に対し「第4選挙区支部は昨年八月末に解散し、新4区支部を設立して私が支部長代行になる予定だった。しかし新4区支部がまだ設立されていない中での小寺裕雄県議(東近江市選出)の支部長内定は、手続き的に認められない。今後、手続きを踏んで正式に支部長を選ぶことになる」と小寺氏内定を差し戻した。前代未聞の内定取り消し劇を追ってみた。【石川政実】
同党県第4選挙区支部は昨年十二月十九日、常任幹事会を開き、未公開株の金銭トラブルなどで武藤貴也衆院議員が昨年八月に離党後、空席となっていた支部長に小寺県議を内定したと記者会見した。
これを報じた記事をネットで知った党本部は「新しい第4選挙区支部も設立されていないのに。まさに“寝耳に水”」と同党県連に説明を求める事態に発展。
慌てた自民党県連は、上野県連会長を支部長代行とする新4区支部設立の手続きを行い、今月二十日に党本部から承認された。そして二十三日の役員会で、小寺県議の支部長内定をご破算にした。
4区の市議は「支部長は衆院選候補者となるため、選挙区再編によって2区の上野県連会長との調整が必要となる。このため党本部や県連では、4区は上野県連会長の支部長代行のままでいいというのが本音かもしれない」と疑心暗鬼だ。
衆院の選挙制度改革を検討している有識者の会議が定数十減の方針をまとめ、実現すれば県内の小選挙区は一減で三選挙区となる。
その対象は現在の4区で、東近江市や近江八幡市は新2区に、甲賀市や湖南市は新3区に移行すると見られる。
ちなみに同党県連には、区割り変更で苦い経験がある。平成十四年の区割り変更では、4区は旧3区の岩永峯一氏(裕貴氏の父)の地元である甲賀郡と旧2区の小西理氏の地元である近江八幡市を合わせたものになった。
最終的に岩永氏が新4区に移行し、小西氏が涙をのんで新2区に鞍替えするが、確執も。
4区支部の常任幹事会で小寺県議を推した家森茂樹県議(4区支部長代行)は「現職が比例に回れば滋賀から四人の衆院議員を出せる」と選挙ごとに小選挙区と比例代表で候補者を入れ替えるコスタリカ方式に望みを託す。
同じ4区の生田邦夫県議(湖南市選出)も「4区支部長の空席が続けば、滋賀維新の会代表の岩永裕貴前衆院議員や武藤衆院議員らを推す声も出て、結束力が弱まる。4区は定数削減になるため、上野県連会長の支部長代行でいいとの声もあるが、4区をなめてもらっては困る。小寺県議を支部長にするのは4区の誇りだ」と言う。
当の小寺県議は「支部長は私でなくて、ほかのひとでも構わない。ただ夏の参院選は、敵になる民主の林久美子参院議員(地元・東近江市)のおひざ元の4区が勝敗のカギを握る。地元の私なら求心力が高まる」と差し戻しを冷静に受け止めていた。
なお、武藤衆院議員の後援会は三十日、竜王町で“新春の集い”を開く。武藤氏が支援者にお詫びと説明を行い、政治活動を再開する。いずれにせよ、自民党の4区支部長選考が難航するなら、参院選に影響が出そうだ。






