科学者会議滋賀支部が県へ要請
◇県
日本科学者会議滋賀支部はこのほど、県地域防災計画(原子力災害対策編)修正に関する要請書を県へ提出した。
同支部は県内の大学教授やОB、医師、大学院生、教員、弁護士ら約七十人で構成する組織。会見には、共同代表幹事の西山勝夫氏(滋賀医大名誉教授)、畑明郎氏(元大阪市立大教授)、小島彬氏(日本科学者会議滋賀支部事務局長)らが出席し、「二月に最終案が出される前に、重要な部分が後退することのないよう要請した」と述べた。
要請は、(1)「国の『原子力災害対策指針の改正』に対する県の姿勢」(2)「安定ヨウ素剤の準備・服用」「住民のコンクリート建屋避難」の対策の維持(3)琵琶湖環境科学研究センターにおける大気中放射性拡散予測結果の活用(4)避難退域時の全避難者検査(5)滋賀県版UPZ圏の原子力事業所ごとの設定―の五点にわたる。
(1)「国の『原子力災害対策指針の改正』に対する県の姿勢」では、「国の改正は、県が追及している『実効性ある多重防護体制の構築』と逆行し、『再稼働を容認する環境にはない』と知事が表明された事態を招いているという視点が盛り込まれるべき」とした。
(2)「安定ヨウ素剤の準備・服用」「住民のコンクリート建屋避難」の対策の維持では、「県はUPZ圏(原発から三十キロ圏の緊急時防護措置を準備する区域)と同圏外に二分し、圏外の対策では『安定ヨウ素剤の準備・服用』『住民のコンクリート建屋避難』の対策については、削除を検討している」と指摘し、「県の『絶対安全』と逆行するものであり、削除すべきではない」とした。
(3)琵琶湖環境科学研究センターにおける大気中放射性拡散予測結果の活用では、「(国の)SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)による計算結果による予測と同様の恐れがないことを県は説明すべき」とした。
(4)避難退域時の全避難者検査については、「県が、(全避難者の検査を廃止した国の)『改正』とは異なって、従来どおり全避難者検査をしようとしていることは評価するが、県は、実効性ある全避難者検査を具体化すべき」としている。
(5)滋賀県版UPZ圏の原子力事業所ごとの設定では、「『改正』は、福島第一原発から三十~四十五キロの飯舘村が一年以上避難区域であった事実を無視し、UPZ圏を『原子力施設から概ね三十キロ』のままにしている」「県は福島第一原発事故の実態を踏まえた滋賀県版UPZ圏の見直しをすべき」としている。
今回の要請を受け、県の原子力防災室は(1)について「知事は関西広域連合や全国知事会で国の原子力災害対策指針改正に対して意見を述べている」とし、(2)~(5)に関しては「専門家の意見を聞いて計画改定案を策定中」としている。





