市の補正予算に市議会の一部が修正案を提出
【栗東】 開催中の平成30年第5回栗東市議会定例会で提出された一般会計補正予算案の一部について、このほど開かれた予算常任委員会で「協議中の案件も含んでいる」として市議6人が連名で修正案を提出したが、同委の審議で否決された。市議の中には「議会の合意形成がないのに当局が話を進めたのは議会軽視だ」とする意見もあり、行政と市議会の関係に緊張感が高まっている。(羽原仁志)
行政の議会軽視を指摘する意見も
問題となったのは、今年度予算の企業事業資金貸付金元利収入4億7998万9千円を減額するとともに関係歳出予算を補正しようと今定例会に提出された議案。
2008年7月、市は東京都の企業に対して市税50億円を納税することを特約とした事業資金5億円の貸し付けを行ったが、満期となる今年6月末日までに企業からの一括償還は不可能と判断。今後10年間の分割償還とする「債務承認弁済契約公正証書」を6月28日付で作成し、それに伴う補正予算案を提出した。これに対し、市議会の栗東再生市民派クラブ、栗東市民ネットワーク、日本共産党議員団の3会派に所属する6議員全員が▽貸し付けは議決に基づいて行われた経緯から、償還に関しても議会は最後まで責任を持たなければならない▽特約がまだ半額も納められていないのに、さらに物的・人的担保が不透明な公正証書を作成したことに納得できない▽市の企業事業資金貸付条例では「償還方法は満期一括」とあるが、この件を分割償還にすることの合意が議会内でとれておらず、今後の悪い先例にならないか―などの点から「この時点で、この補正予算が提出されることに市民は到底、納得できない」とし、該当案件に関わる金額を削除して補正予算を修正するように求めた。
一方、担当する市総務課は「議会説明会などで何度か事前に説明を行ってきたが、不十分な点もあった」としつつ「この償還方法が市にとって最適と判断し、迅速に議案として提出した」と説明した。
討論後の採決では、委員長を除く14人の委員のうち1人が退席し、3会派以外の7人が反対の意を示したことから否決となり、原案のまま10月2日の本会議に提出となった。
3会派を代表して修正案の説明を行った栗東再生市民派クラブの國松篤氏は「残念な結果だった。これからも是々非々の立場で責任もって提言していく」と語った。
修正案に反対の討論を行った会派・新政会の藤田啓仁会長は「議案の提出時期と議会としての立場を一緒に議論してはならないと思う。公正証書が作成された後でそれを反故にするのは、議会として正しいやり方ではない。当局がしっかりと約束を果たすよう、市民の代表として行政をチェックしていく姿勢は変わらない」と述べた。
同委の閉会にあたり、野村昌弘市長は「ご指摘いただいた件も含め、襟をただし、透明性を高くし、元気を実感してもらえる市を議会と一緒に作っていきたい」と語った。






