墓前で「必ずいいものにします」と念を込める
【大津】 2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で主役の戦国武将・明智光秀を演じる長谷川博己さんがこのほど、西教寺(大津市坂本5)を訪れ、光秀や明智一族の墓所の前で手を合わせた。
西教寺は聖徳太子が創建したとされるほど長い歴史を有す。1571年、織田信長による比叡山焼き討ちの際に災禍を被ったが、直後に信長から坂本地域を任された光秀が復興し、檀徒として同寺を庇護した。寺内には光秀が寄進したとされる「坂本城陣鐘」(非公開)や光秀と夭逝した妻・煕子(ひろこ)をはじめ、坂本城と命運を共にした明智一族の墓所がある。
長谷川さんは昨年、放映された連続テレビ小説「まんぷく」の滋賀県ロケの最中にも同寺を訪れていたといい、光秀への墓参は2度目となる。今回は、まず本堂で本尊の阿弥陀如来坐像に手を合わせた後、同寺が所有する光秀直筆の書状「供養米寄進状」について同寺の蜂谷真勝社会部長から説明を受けた。同書状は、1573年に堅田でおこった戦で亡くなった人を供養するために光秀が米を同寺に寄進したもので、蜂谷社会部長は書面の内容から、武将だけでなく下級武士も同列に扱った光秀の人柄を紹介した。
続いて、長谷川さんは陣鐘が収められている鐘楼を外から見学し、境内にある明智一族の墓所と煕子の墓所の前で花を供え、焼香し、合掌した。
見学後、記者団の取材に応じた長谷川さんは「墓前で、私が明智光秀をやらせていただきます。必ずいいものにしますと念を込めました」と語った。また、演じる光秀について問われると「見せてもらった書状の字体から繊細で芸術にも造詣のある方だと思った」とし、「調べるほど正体が分からない人ではあるが、できるだけ自分自身を空にして役に臨み、演じながら光秀で器を満たしていきたい」と述べた。さらに、「大津は光秀が出世したゆかりの地だと聞いている。そこを最初に訪問できて、幸先のいいスタートを迎えられそう」と撮影への意気込みを語った。
同寺の前阪良憲宗務総長は「光秀は、西教寺復興に大きな力を貸してもらった人だ。主人公を演じる長谷川さんにお参りしてもらって、寺も檀信徒も非常に喜んでいる」と長谷川さんへの感謝を述べた。
ドラマは6月から撮影が開始される。放映は2020年1月から。身分が高いとは言えない美濃(岐阜県)の明智家に生まれた光秀を中心に、まだ多くの英傑たちが“英傑以前”だった時代から、丹念にそれぞれの誕生を描く。群雄割拠の戦国時代を新しい解釈で構成した内容になるとされている。







