激動の大津市長選
【大津】 まもなく任期満了に伴う大津市長選(12日告示、19日投開票)が始まる。昨年11月に現職の越直美市長(44)が不出馬を発表し、現県議会議員の佐藤健司氏(46)、元市職員の小西元昭氏(49)の新人2人が無所属で立候補する意向を表明している。人口減少局面を迎え、様々な課題が顕在化しているこれからの“県都”大津をどうしたいのか、改めて選挙戦についてまとめた。(羽原仁志)
争点は「越市政への評価」
「市民の声を聞く」スタンスは両者一致
◆越市政の残したもの
昨年11月14日、県立県民交流センター「ピアザ淡海」(大津市におの浜4)で記者会見を開いた越市長は「評価はいろいろあるが、市民と約束したマニフェストを達成できた」と述べ、任期満了で退任する意向を示した。
越市長は自身の成果として、ゴミ処理施設の削減や市職員の給与構造改革、ガス事業の民営化、公立幼稚園の再編などを例に挙げて「行財政改革で市の負担を約132億円減らせた」と語り、「小さくてもいいので早く市民に結果で返さなければならないという思いで取り組んできた」と自身の政治姿勢を振り返った。
即決で進めてきた越市政は、学校のいじめ問題への対応や昨年5月に同市大萱で起きた交通事故の際にいち早く国へ要望するなど、一定の高評価を得ている一方、市民センターの統廃合と支所機能の縮小に向けた改革、市立市民病院での分べん休止と救急医療医師らの一斉退職、市営デイケアセンターの休止などには「市民の暮らしに向きあっていない」と不満が噴出した。
佐藤氏は「今の市は市民の声がなかなか届かないと各所で聞き、立候補の決意を固めた」とし、小西氏は「(越市長は)合意形成の中で急がれた部分がある。市民に寄り添った議論が必要」と述べている。
◆争点はどうなる
立候補を表明している両者とも「市民の声を市政に反映させる」スタンスは共通している。選挙戦でポイントの一つとなるのが、越市政をどのように評価し、自身はどのような市政を行おうとしているかだ。
佐藤氏は立候補表明の記者会見で「ジュネーブ構想などまちづくりへの取り組みは一定、評価できる」としつつ「そこから具体的にどうしていくかだ」と語る。また、西武大津店が閉店を決めたことに対して「まちのシンボルが失われることを悲しんでいる市民の声に行政は耳を傾け、新しいにぎわいを創出しなければならない」と意欲を述べている。
小西氏は「越市政の継承と見直しと発展」を掲げる。具体的には「クリーンな政治姿勢、子育て環境の充実、女性活躍社会の推進」は継承し、「支所のあり方、介護と防災の強化、市民病院のテコ入れ」に関しては「バランスを見ながら見直す。そのために一定の期間をかけて議論を尽くす」としている。
◆支援者らの動き
佐藤氏は、大津市議会会派の湖誠会、新和会の両会派が中心となり自民党の市連協などとも連携して政治団体「夢・まち・大津」を結成した。自民党県連の武村展英代表も「総力を挙げて応援する」と述べている。
小西氏は大津市議会会派の市民ネット21が中心となり、政治団体「One!おおつ」を発足させた。政党では国民民主党と立憲民主党が支援を行い、団体では連合しがが推薦。記者会見には越市長も駆けつけ「一市民として応援する」と述べている。また、政治団体の立ち上げ式には嘉田由紀子参議院議員も参加し、「(小西氏は)市役所の隅々まで知っており、候補者として非がない」と称賛した。
また佐藤氏は、早くから元々の地盤である市南東部はもちろん、北部の自治会や企業、団体などを回ってPRに努めてきた。12月に行った政経パーティで党市連協の幹部は「思った以上に市北部からの出席者が多い。市内全体から期待が集まっている」と感触を語る。
一方、小西氏陣営の事務所開きには小西氏の地元の葛川と隣の伊香立の自治会長が出席、北部地域の住民も多く参加した。市民ネットしが21の幹部は「市の東南部にも積極的に出かけ、面会している人が増えており、少しずつ顔と名前が浸透してきている」と述べている。






