令和2年子年の初詣
【大津】 今年2020年のえとは「子(ね)」。十二支の始まりを表わすネズミ年である。新年の初詣には、自身が暮らす地元の氏神へ詣でる他に、その年の十二支とつながりのある神社仏閣に詣でると縁起がいいと言われる。大津市坂本5の日吉大社の敷地には「鼠社(ねずみのやしろ)」と呼ばれる社が建てられている。その理由について同大社に話を聞いた。 (羽原仁志)
「鼠社」は旧竹林院の近くにひっそりと祀(まつ)られている。
「鼠社」の祭神は大国主神(おおくにぬしのかみ)で、同大社によると、「参拝者には十二支の始めの神様、恵方の神様としてお伝えしています」としている。
同大社には山王七社といわれる多くの神が祀られているが、そのうち西本宮では大己貴神(おおなむちのかみ)を主祭神としている。同大社の由緒では、同神は、667年に都を近江大津宮へ遷都した中大兄皇子(後の天智天皇)が、地元・飛鳥(奈良県)の三輪山から比叡山へ勧請した神様とされる。そこから、国の平安を祈る神、都が京都に移って以降は、都の鬼門に位置するとして、都の安寧(あんねい)を祈る神として祀られてきた。
この大己貴神と同一視されるのが、大国主神である。
日本神話では大国主神は日本で最初に国土経営の礎を作ったとされる。その際、ネズミに窮地を助けられたといわれており、以来、セットで信仰を集めるようになったとされる。
また、神名の一部「大国」が「ダイコク」と発音できることから、仏教の大黒天とも習合し、七福神の一柱としても捉えられる側面もある。七福神の大黒様は米俵に乗ってネズミを従えている場合もあることから、ネズミは大黒天の神使となり、「商売繁盛」「五穀豊穣」といった神徳があるとされている。
昨年12月17日、同大社入口の赤鳥居前に幅2・7メートル、高さ1・8メートルで中央に白ネズミが描かれた「干支大絵馬(えとおおえま)」が設置された。原画を担当した成安造形大学4年生の里見友梨絵さんは「ネズミのかわいらしさと実りのある年になるようにと思いをこめて描いた」と述べ、同大社の馬渕直樹宮司は「ネズミは繁栄のイメージ。災害の少ない年になれば」と語る。
大絵馬は節分の頃まで設置される予定。また、同大社では縁起物としてネズミを象った「干支土鈴(えとどれい)」5種の頒布(1個・1000円)も行っており、「初詣で境内のお社をお参りされる際に、『鼠社』にも参ってもらえたら」としている。
同大社へは、JR湖西線・比叡山坂本駅下車、徒歩約20分。または京阪石山坂本線・坂本比叡山口下車、徒歩約10分。同大社に関する問い合わせは社務所(TEL077―578―0009)へ。








