小西氏出馬会見で“勝負あった”
【大津】 大津市長選が1月19日投開票され、前県議の佐藤健司氏(46)が史上最多の6万2千票を獲得し、前大津市職員の小西元昭氏(50)に1万4千票以上の差をつけて圧勝した。投票率は39・77%で、前回を8・2ポイント下回った。前大津市長の越直美氏の後継者と目された小西氏がなぜ大差で敗れたのか、その敗因に迫る。(石川政実)
昨年12月6日、小西氏の出馬表明会見が行われた。同氏は、越市政を継承する部分と見直す部分を丁寧に説明した。“行革ありき”で住民に痛みを強いる越市政の継承に批判的な社民党や共産党に配慮したのだ。しかし会見に越氏が駆けつけて、小西氏を越市長の後継者と印象付けてしまう。
会見場にいた社民党県連の小坂淑子代表と共産党系の「大津市政をつくる会」の長田茂事務局長はぶ然として席を立った。嘉田由紀子参院議員は、会見後日に共産党の石黒良治県委員長に修復に向けた電話を入れた。
立憲民主党県連の田島一成代表代行も会見に唖(あ)然とした一人だった。
同年11月14日に越氏が3選不出馬会見をして以降、国民、立民、社民、共産の野党4党は水面下で、野党共闘実現に向け模索を続けていたからだ。
結局、社民は12月6日に自主投票、共産は同月12日に独自候補を断念し自主投票にすると発表。しかし、独自候補断念は、共産の石黒氏のぎりぎりの配慮だった。足元で不穏な動きもあったのに。
同月8日、共産系の市労連と立民系の自治労大津は、自民が支援する佐藤氏と会談。越氏と一緒に賃金カットを行った小西氏を応援することはないとの立場を伝え、佐藤氏が当選すれば越氏と違い職員組合と話し合ってことを進めてほしいと要望した。
●考えなかった同席
越氏は取材に「当初は小西氏の出馬会見には出席するつもりはなかった。強い要請があったからだ」と弁明。
越氏を動かせる実力者と言えば、国民県連顧問である川端達夫氏もその一人だが、同氏は今回の市長選は越氏を支えてきた市議会会派の市民ネットに任せて、ほとんど口を挟んでいないと否定した。
この川端氏と佐藤陣営の選対本部長を務めた目片信悟県議は「投票率が40%を切ったのは、小西陣営が越市政の継承を全面に出さず争点を明確にしなかったからだ」と総括する。
逆に越市政を一部見直して野党共闘で活路を見出そうと考えていたのが市役所OBの寺田智次後援会長兼選対本部長だった。「選挙まで約1か月半だったが、野党4党の票を土台に、越氏と嘉田氏の固定票を乗せれば勝負できる」と読んでいた。だが早々に野党共闘の夢が頓挫(とんざ)する。
年明け以降は、越、嘉田両氏頼みの戦略しか残されていなかった。
小西陣営の政策通は「陣営の中でも越市政の評価が分かれた。出馬会見で野党共闘より越市政継承を優先したのは敗因の一つだ。しかし本当の戦犯は越氏」と言う。次回は“越戦犯説”を追う。





