貸付金は公金から支出 いくら回収可能で、市の対応の是非は
【栗東】 栗東市はこのほど開かれた市議会令和元年度第5回(12月)定例会で、市が企業事業資金として貸し付けを行った法人2社から貸付金の元本と遅延損害金をあわせた17億円以上が未回収となっていることを明らかにした。同法人2社は市の申し立てにより破産しており、市議会では今後、いくら回収できるのか、市の対応は正しかったのかなどについて追及していく。(羽原仁志)
武村賞市議(新政会)が行った個人質問へ市当局が答弁した。
市は栗東町時代の2000年6月にたばこ税収増を見込み、10年間で町に50億円を納税する特約で、1法人に対して上限5億円(うち1割は担保)の資金を貸し付ける町企業事業資金貸付条例を施行した。償還方法は利息をのぞいて満期一括返済とするもので、01年の市政移行後も引き継がれた。
その中で、2000年から03年にかけて各2回、合計10億円を借りた法人2社から5年後に納税がほぼ途絶え、特約も果たされないまま返済期限となった。
市では、裁判所へ貸金返還請求を提訴し、相手方から認諾を得るなどしてきたが、いっこうに返済の目途が立たないことから、「強制執行により、より多くの債権回収が見込める」として18年11月に市議会の賛成を得て、債権者による破産申立を大阪地裁に提出、翌19年2月に両社の破産が決定した。今後、裁判所が指定した破産管財人による財産調査が行われ、債権者集会において債権の回収が図られる。
市によると、破産申立を行った時点で、担保の1割を差し引いた元本9億円と遅延損害金8億3629万4千円(利息422万4千円含む)が未回収となっている。
武村市議は「返済期限から6年以上が経過しており、相手方に財産処分を行うに十分な時間があった。現状では貸付金のほとんどが回収できないと考える。破産申立手続きの時期が適切であったのか疑問」とし「この問題は、自治体が企業に物的担保もなく金銭を貸付けた全国的にもまれな事例」と市の対応を厳しく非難した。
本紙の取材に対し武村市議は「貸付金は公金で、市民の税金から出されている。『わずかしか回収できませんでした』では済まされない」と述べる。また、田村隆光市議(栗東市民ネットワーク)も「責任の取り方は様々あるが、返済されることが基本。会派でもこれまでの市当局からの説明を精査し、改めて追及していく」としている。
今年上旬には財産調査の報告が行われる見込みで、市では一定の中間報告や調査結果がまとまった時点で「破産手続きがどのような結果となるかの如何を問わず、過去の経過を踏まえ整理した上で市民への説明が必要だと考えている」としている。







