大津市在住の松本匡代さんが新作発表
【全県】 大津市在住の小説家・松本匡代さん(67)がこのほど新著「和算入門 江戸の算数ものがたり」をサンライズ出版から出版した。
松本さんは三重県出身。奈良女子大学大学院理学研究科物理学専攻修士修了。企業勤務の後、「新選組 試衛館の青春」、「独白新選組 隊士たちのつぶやき」(いずれもサンライズ出版)や「早耳屋お花事件帳」シリーズ(ハヤカワ時代ミステリ文庫)など、これまで江戸時代を舞台にした小説を手がけてきた。
今作は2013年、14年の滋賀県文学祭で特選を獲得した2篇に書き下ろし1篇を収録した1冊。昨年1月に兄を亡くした松本さんが「兄の孫たちに贈る冊子にまとめたい」と出版社に相談し、兄の一周忌を機に発行した。
作品の主人公は江戸の勘定所見習い職員の山口公明。後に新選組屈指の剣腕として知られるようになる斎藤一の兄だが、公明自身は剣術よりも算術(和算)を得意とする。周りの人たちが抱える様々な悩みに対し、公明は入れ子算・油分け算・さっさだて(鶴亀算)・譲り算・百鶏算など和算の手法を駆使し、解決していく。「新選組が好き」と話す松本さんが柔らかな感性で幕末に向かう江戸の人々の情緒を浮き彫りにする。
「子どもたちにも分かりやすく作りたかった」と述べる松本さんの意向を反映し、作中で公明が駆使する和算には図解をつけ、小学校で習わない漢字や江戸時代の言葉などには極力読み仮名を振った。
また、同作には松本さんの作品「新選組」と「早耳屋お花事件帳」シリーズをつなぐ仕掛けもあり、松本さんの過去作品のファンにも楽しみな内容となっている。
出版を記念し、県庁で記者会見を開いた松本さんは「和算の楽しさ、江戸の風情の楽しさを子どもから大人まで、多くの人に感じてもらえれば」と期待を語った。
同書は四六判、178ページ。1650円で県内の主な書店やインターネット書店などで販売している。書籍への問い合わせはサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。






