滋賀地域交通計画(骨子案)発表
【県】 県は先月発表した「滋賀地域交通計画(骨子案)」の中で「『地域交通を支える税(交通税)』の在り方について、公論熟議で検討し、本計画にも記載する」と明記した。来年3月の同計画策定に向け、目指す地域交通の姿を実現するために必要な財源についても今年度さらに具体的な議論が展開されることになるが、多方面から課題を指摘する声が挙がっている。(羽原仁志)
どこまで県民の理解を得られるか
市町からも具体的な施策の提案が必要
県では2040年代を見据え、「『安全』を大前提に、地域交通により、『自家用車を使えない人、使えない時でも日々の生活の移動ができる』、『自家用車を使わない選択ができる』社会を実現するため、『誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通』の構築」を目指す姿とする「滋賀地域交通ビジョン」を昨年3月に策定、同ビジョンを実現するための行動計画の策定を進めている。
同骨子案では、現在のサービスレベルの維持に年間61・4億円、目指す姿の実現に追加で年間87・1億円の概算費用が必要と試算を示し、「地域交通の維持・充実に向けた各種施策を継続的に展開していく必要があるが、今後の人口減少等をふまえると、それだけで全てを賄(まかな)うことは現実的に困難」であり、「新たな財源は安定的で広く負担を分かち合うことが可能な、税を主体とすることが適当」としている。
県は「交通税は選択肢の一つ。導入ありきではない熟議を進めていく」と説明しているが、同骨子案が示された昨年度県議会公共交通・国スポ・障スポ対策特別委員会では、委員の県議から「税の導入に前のめりになっていないか」、「地域ごとに異なるまちづくりにどこまで反映できるのか」といった意見が挙がった。
また、行政、交通事業者、様々な立場の交通利用者、有識者らで構成する滋賀地域交通活性化協議会では「ビジョンを実現するためには新たな財源が必要ということを県民がどこまで共有できているのか」という疑問が挙がった。
さらに、県の税制審議会では「公共交通の利用者の多くは実際には非課税世帯で、現役世代への負担が増すことにならないか。世代間の負担のバランスを考えると県税としてやるのは限界がある」、「市町からもより具体的な施策の提案がなければ県民は納得できないのではないか」などの意見が挙がった。
同審議会後、記者団の取材に応じた三日月大造知事は「財源とセットで示される計画が責任ある行政の作る計画だ」と述べ「これから1年、みんなで議論をして、どこまで広げられるかだ。着実にいろんな観点からの意見をもらえるようになってきているので(議論の)足がかりにしていきたい」と語った。






