各市町長から県へ地域の現状を踏まえた意見続出
【全県】 三日月大造知事と県内各市町の首長が一堂に会し、県内の多様な課題について協議する滋賀県首長会議がこのほど甲賀市内で開かれ、県の「滋賀地域交通ビジョン」に対し、各市町長から「地域の現状に即した公共交通の姿を描くべき」といった意見が挙がった。
県では2040年代を見据え、「『安全』を大前提に、地域交通により、『自家用車を使えない人、使えない時でも日々の生活の移動ができる』、『自家用車を使わない選択ができる』社会を実現するため、『誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通』の構築」を目指す姿とする同ビジョンを昨年3月に策定、今年度末を目標に、同ビジョンを実現するための行動計画の策定を進めている。
「『行きたいところへ行ける』よりもまず
『行かなければならないところへ行ける』ではないか」
今回の首長会議では、県が議題の一つとして「地域交通ネットワークの充実に向けて」を提案。三日月知事が県内公共交通の現状や同ビジョンについて説明し、計画策定には市町策定の地域公共交通計画をベースとする点も踏まえ、各市町長に「各市町が目指す将来の地域公共交通の姿とそれを実現するための取り組みや課題について」、「広域行政としての県に求められる役割や施策について」などに関する意見を求めた。
三日月知事の説明を聞いた各市町長からはそれぞれの地域に即した意見が続々と挙がった。その一例として、角田航也・米原市長は「県の地域交通将来デザインには広域幹線である新幹線が描かれていない。停車駅のある米原駅を県はどう考えているのか」、佐藤健司・大津市長は「ビジョンが描く、より良い暮らしを県民一人ひとりがイメージし、新たな手法には具体的取り組みを示して納得してもらう必要がある」、今城克啓・高島市長は「県は『行きたいところに行ける』というが、現実とずれがある。高島市内では湖西線の本数が少なく、強風で運行が止まることがある。運転手不足でコミュニティバスの運行本数にも限界がある。市内の子どもたちが市外の行きたい学校に進学することも困難な現状がある」、小西理・近江八幡市長は「『行きたいときに、行きたいところに行ける』ではなく、まずは役所や病院など『行かなければならないところに行けるようにする』ことが大切。互助輸送の規制緩和も検討するべきだ」、櫻本直樹・野洲市長は「福祉の視点が弱いのではないか」といった意見が挙がった。
会議後の記者団の取材に三日月知事は「各市町長が地域の現状を見ている中で挙げられた意見は県としても共有しなければならない」と述べ、「『行きたいところへ行ける』ようになるためには、どういう努力と財源が必要なのか、市町の圏域を越えた移動に県がどう責任を持つのかなどは計画でも重要になってくる」と語った。






